サロン開業について

おかね編 サロン収益計画

成功にむけた航海図を描く

サロン開業を航海に出る場面に置き換えてみましょう。
豪華客船での旅はスタッフがたくさんいて、設備もラグジュアリー。。。大企業のサロン出店と同じです。一方、ひとりでスタートするサロンは、自分で舵を取る手漕ぎのボートでの航海にあたるのかもしれません。目的地までの距離やスピードも全然違いますね。

サロン開業を航海に出る場面に置き換えてみましょう。
  • 初期費用シュミレーション
  • 資金調達シュミレーション
  • 収益計画

豪華客船での旅はスタッフがたくさんいて、設備もラグジュアリー。。。大企業のサロン出店と同じです。一方、ひとりでスタートするサロンは、自分で舵を取る手漕ぎのボートでの航海にあたるのかもしれません。目的地までの距離やスピードも全然違いますね。

一人旅であれば、マイペースで自由に出来るという気楽さがある反面、危険を最小限にできそうな海路を見つけ、自分なりに目的地までの航海図を描いてから出発したいと誰もが思うことでしょう。

この航海図を描くという工程が、サロン開業では初期費用や資金調達、そして収益についての計画をたてるというステップになるので、これをせずにサロンをスタートするのは、まるで当面の食料や航海のための簡単な道具、そして、「大海に乗り出したい!」という強い思いだけをもって、行き当たりばったりで旅に出ることと同じになってしまうのです。

始めに出来るだけリスクを軽減する計画を立ててあったとしても、やってみると思い通りにいかないのが常ですから、そんな時には途中で計画を変更・修正しながら、進んでゆくわけなんですね。

法人でサロン経営をされる場合には計画作りの専門家がいらっしゃることと思いますので、ここでは、スタッフ数一名で開業をする個人サロン(プロフィールは下記の通り)の「初期費用シュミレーション」、「資金調達シュミレーション」、「収益計画」の事例を紹介します。

お店のプロフィール
メニュー ・フェイシャル(トラブル改善)90分 
・フェイシャル(スタンダード)60分 
・ボディー(目的別)90分     
・ボディー(リラクゼィション)60分
・オプション(部分マッサージ)30分 
・オプション(目的別マスク)20分 
9.000円
7.000円
12.000円
10.000円
3.000円
2.000円
美容機器 使用しない
施術比率 ・フェイシャル50% ・ボディー40%
・オプション10%
物販 顧客数の20%が商品を購入
立地 住宅地の多い静かな地区、
主要地下鉄の駅から徒歩圏内
形態 マンション賃貸
スタッフ数 1人
駐車場 1台
客層 自営業20%、OL35%、主婦45%
20代10%、30代20%、40代30%、
50代20%、60代20%
初期費用シュミレーション

初期費用のケーススタディ

Step1で決めたコンセプトに沿って、上記のようなプロフィールのサロンを開業した場合の初期費用の事例です。
Step2ですでに考えた必要な設備・備品の費用をあてはめて計算します。

資金調達シュミレーション
初期費用+運営が軌道にのるまでの運転資金を計算し、その調達方法を検討します。

225万 + 当面の運転資金75万 = 初期費用総計300万

この300万をどのように用意するかは、開業する方の環境で異なります。
ここでは自己資金200万 + 親族借入100万で調達とします。
もし、国民政策金融公庫や金融機関などで借り入れをする場合には、その返済額や利子が月々の経費に加算されることになります。
収益計画
経費(月あたり)

経費(月あたり)のケーススタディ

売上の計画をたてるために、まず出てゆくお金の計算をします。 経費の中に、化粧品の仕入代がどこにもないことに気づいた方がいらっしゃるかもしれません。この事例では化粧品代を経費に含めるのではなく、下記のように化粧品代を差し引いた値を売上として採用することがその理由です。
・施術の売上 = 「お客様からいただく料金」 - 「施術にかかる材料費」
・物販の売上 = 「お客様からいただく料金」 - 「商品仕入代」

とし、このような計算による売上の値を「粗利」と呼びます。
粗利の計算

粗利の計算のケーススタディ

施術と物販の粗利を計算します。
推移

損益推移表のケーススタディ

PDF2ページ目のグラフ中の「損益分岐点」とは、経営状態が赤字でも黒字でもないポイントを指します。点グラフで表した粗利を見ると、この事例では損益分岐点を下回っている2月から5月までは赤字、6月以降(8月は除く)は黒字になっていることがわかりますね。
運営が安定して黒字が増えれば、一部をお客様へのサービスに還元する、将来の事業資本として貯める、新しい商品や技術の導入に投資する、自分のお給料を上げるなどプラスの選択肢が増えてゆきます。

また、棒グラフは「損益累計額」を表しており、この推移を見ることでサロン開業のために使った初期費用回収の進み具合がわかります。
この事例の損益累計額は赤字最高額の5月でも約46万、その後、12月には赤字から黒字に変わっていますので、75万円用意した運転資金を使い果たすこと無く、オープン1年目の窮地を脱したことになります。

ナチュラルハーモニー  代表  宮田靖子

ここまで、読み進めてくださったあなたは今、どう感じていらっしゃることでしょう。

サロン開業をビジネスとして捉えるという視点で内容を書き進めてきましたので、堅苦しさがつきまとったことは否めませんし、特に3番目の ~おかね編~ をご覧いただくには相当の忍耐力を要したことと思います。長い文章にお付き合いくださり、本当にありがとうございました。

ここで記した収益計画の内容はあくまでも一つの事例ですが、私どもがこれまでサロン運営に携わってきた経験に基づく現実的な内容を数字にしたつもりです。
こういった部分は開業準備の中でも、手をつけるのに最も労力を要する部分だと思い、あえて多くの情報を紹介させていただきました。何か一つでも、参考にしていただけることがあれば幸いです。

サロンの開業という一大事をみごとに乗り越え、「あなたらしさ」が一杯つまった新サロンで、お客様とあなたの笑顔がいつもキラキラと輝いていることを信じてやみません。

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